学校法人設立の場所に建つ築60年をこえる１号館の大規模改修工事。
別敷地への建て替えも含めて検討した結果、同様の規模での新築は難しいため既存建物を見直し、
安全性・機能性・デザイン性を一新する大規模改修を行う事とした。
既存外壁には経年劣化が見られたため、外壁の改修方法としてカバー工法を採用。
外壁材には黒のアルミパネルと有孔折板を採用し、工学系キャンパスの風格を外観で表現した。
館名サインは全て内照式とし、校舎横を通過する名鉄名古屋本線からの車窓にも配慮した。

当校舎は、昭和40年代の旧耐震建築であったため、施設の安全性を考慮し耐震改修を行った。
Is値0.7以上を確保するため、各教室に鉄骨ブレースを設置する耐震補強とした。
学校を運営しながらの改修工事の為、生徒がいない夏休みの1ヶ月間で施工可能な工法を設計の段階で検討し、工事に至った。

文部科学省のエコキャンパス補助金を利用し、設備更新での効率化・省エネ化を図る計画とした。
和式が大半を占めていたトイレは全面改修し、コンセプトの異なる3種類のデザイントイレを配置した。
女子トイレには、パウダールームを新設しアメニティの充実を図った。便器は全て節水型に変更し環境配慮に努めた。
空調設備の全面更新、照明器具のLED化、屋上には太陽光発電設備を設置し、建物全体で効率化・省エネ化を図った。

7階にあった体育館をイベントホールに改修した。最先端の音響設備の導入のため、出入口扉には防音扉を採用し、壁と床の両方に吸音材を入れ外部や教室への音漏れに配慮した。ホール正面には、310インチの巨大スクリーンを設置し、Eスポーツなど多彩なイベントの開催できる多目的な運用も可能とした。